狼様の愛のカタチ理論【番外編】




私の友達だもの…それに、話したとしても絶対に言わないだろうから



「ね?扇李」


服を握り、いつものように見上げながらおねだりをすると咳払いをしながら私の腕を引き放す


「沙優、やめろ」

「なんで?ね?お願い」


確信犯だ、なんて言われてもいいほど扇李はこれに弱いって分かってる


だから諦めずに必死に彼を見上げれば、チラリと扇李の視線がぶつかった


「お前、さらに性格悪くなったな」

「…へ?」

「子供がいるお前を抱けないって分かっていながら、そーやって誘うのか?」

「え?」


せ、扇李…なにそれ


子供がいるから我慢しようって考えてたの?扇李が?


いつも、自分の欲求ばかり優勢するのに?


「ごめん、そんなつもりは…」


腕を離して小さくなりながら、扇李をみると不意に片手を頭にのせてため息をはく


「はぁ、だから嫌だったんだ」

「…?」

「子供が出来たら当分出来なくなる、それだけは避けたかった」


「え…は…い?」


「前に、二人でいたいから子供はいいと話しただろう」


「…うん」


その時のことはよく覚えるから



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