狼様の愛のカタチ理論【番外編】




「あれは、ただの建前だ」


「……」

「いや、正確にはあれも本当だが、一番は出来なくなるのが嫌だっただけだ」


「………」

「だから、作るのを拒否していたが、いざ出来てしまえば大切にしたいと感じ、お前を抱くのを今日から我慢しようとしたのにも関わらず…なぜそーやって誘う」



「…………」


思いもしない告白に私はただ唖然と口をあける



「あまりにも堪えられなかったら、どうするべきか悩んで仕事も手につかなかった我の気持ちが分かるか」


少し怒りを含んだ声に、少し罪悪感を感じた私は苦笑いしながら口を開いた


「せ、扇李…」


「なんだ」


そうだよね、確かに妊娠したら出来ないもんね


いや、正確には出来るかもしれないけど、それはきっとよくない


扇李は扇李なりに気を使おうとしたのに私ってば



「ごめん」


"もう当分はしない"と言い、見上げるのをやめれば"ふん"と扇李の息遣いがする



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