狼様の愛のカタチ理論【番外編】
「…い、院長様?」
上品に歩き私に近寄り、いつもとは違う雰囲気を漂わせながら笑い掛ける
「久しぶりね、沙優。あれから元気にしてた?」
「は、はい…もちろんです」
「そう、良かったわ」
嘘みたい。院長様に会えるなんて。
前に左汰から院長様の話をされたけど、それはもう少し後の話をだと思っていたから…
予想外の事に言葉を失っていると、院長様はキョロキョロと周りを見渡しながら首をかしげる
「ところで…沙優は一人で来たのらしら?扇李は?」
「…あ、それは」
「なに?喧嘩でもしたのかしら?」
「い、いえ。そうではなくて…えっと」
なんて言おう。院長様には詳しいことは話してないから、一緒に来てない事が疑問なんだろう
言いたいけど、ここじゃあ…そんな話しは出来ない
もし、誰かに聞き耳でも立てられたら扇李に迷惑が掛かるから。だから…
「えっと、その」
「?」
言葉を濁しながら黙り込む私に、院長様はハテナを浮かべていると
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