狼様の愛のカタチ理論【番外編】
「大丈夫、大丈夫!好きに踊ればいいんだよ。じゃないと楽しくないからね」
「で、でも…」
「ほら」
優しく包むように手を握られ海鈴さんは少し強引に私をソファーから立たせる
「…あ」
「じゃあ、扇李?借りるから」
「……っ」
横目で見ても、扇李は私をチラリと見てすぐに反らしてしまって…
そんな仕草に少し胸が痛むと海鈴さんは私の手を引いて優雅にダンスを楽しむ輪の中に入っていく
「か、海鈴さんっ」
「いいから。ほら、手を握って」
ギュと手を握られ、流れる曲に合わせて海鈴さんは踊り初める…
でも、海鈴さんにはダンスのリズムなんてない
ただ、適当に私が動き易いようにしなやかリズムを刻んでくれて…
なんて…上手いんだろう。こんなダンスをしたこのない私でも海鈴さんはリードが上手いって分かる
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