狼様の愛のカタチ理論【番外編】




「避けないで下さいな、花嫁」


「………っ」


「あぁ、もしかして…そんなに海鈴殿との時間を楽しみたいですか?それなら我々から提案があります」


「………ぇ」


「扇李の花嫁をやめて、海鈴殿の花嫁になってはいかがですか?」


顎を数回触りながら呟き、勝ち誇ったように口元が緩む


扇李の花嫁をやめる?

それで、海鈴さんの花嫁になれって言うの?


そんなの…いや…だ


反射的にそんな言葉が頭に浮かぶ


嫌だ、絶対に。だけど…今後を考えたらそんなこと言えなくて


黙り込むわたしに、老役達は海鈴さんをみた


「海鈴殿もいかがですか?」


「…え?」

「いいチャンスかと思いますよ?海鈴殿には花嫁がいないではないですか?」

「……」


「扇李と同じく花嫁を転々となさらないで身を固めるのもよいかと。先代もお喜びになります」


「あー…はは、痛い所をつくな」


苦笑いしながらいい、海鈴さんは私をチラリと見る



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