狼様の愛のカタチ理論【番外編】
「なんだ?機嫌取りのつもりか?」
「そ、そんなんじゃないけど…ご、ごめんね?で、でも扇李は何も言わないし…海鈴さんは強引だからっ」
「わかっている。だから余計にムカつくだけだ」
私の肩に手を回し、来た時とは正反対に優しく私を促す
「じゃあ…そんなこと言うなら扇李も踊ってよ?開き直るなら…いいでしょ?」
私だって、海鈴さんより扇李と踊れたらどんなに嬉しいか
胸がドキドキして、脚が震えるかもしれないけど
たぶん、凄く幸せな気持ちになれる
「ね?」
両手を合わせて扇李をみれば、チラリと私をみてすぐにその視線は反らされてしまう
だけど、数秒もしないうちにため息と同時に扇李が口を開く
「まぁ…気が向いたらな」
「ほ、本当に?」
「あぁ、だが…ダンスは得意じゃない。だから期待はするな」
「う、うん!」
気が向いたらでもいい…扇李と踊れるなんて嬉しい!
無意識に笑みを浮かべて扇李とのダンスを頭で想像してしまい
胸がギュウーとなりながら、私達は会場に戻った―…
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