狼様の愛のカタチ理論【番外編】



「あ…はい」


「それに、ケーキにも口をつけてないわね?」


目の前には少し変わった形のケーキが手付かずで置いてある


「すみません…最近、食欲がなくて」


実は、ここ数日

何か物を食べる気分になれない。体調はいたって普通で熱もないし、どこか痛いわけじゃない


だけど、なぜか食べる気がしなくて…食べても一口

他には水分だけで終わってしまうのだ


「あら…具合が悪いの?」


心配そうに顔を覗きこまれ、私は慌てて手を左右にふる


「あ、だ、大丈夫ですよ!

「…でも」

「本当に、なんか食べる気はしないだけですから。それに、不思議なことにお腹はいつも満たされてるんです」

「…」

「だから、心配しないで下さい」



私がそう言うと院長様は少し唸りながら、パンっと手を叩く


< 98 / 121 >

この作品をシェア

pagetop