狼様の愛のカタチ理論【番外編】
「あ…はい」
「それに、ケーキにも口をつけてないわね?」
目の前には少し変わった形のケーキが手付かずで置いてある
「すみません…最近、食欲がなくて」
実は、ここ数日
何か物を食べる気分になれない。体調はいたって普通で熱もないし、どこか痛いわけじゃない
だけど、なぜか食べる気がしなくて…食べても一口
他には水分だけで終わってしまうのだ
「あら…具合が悪いの?」
心配そうに顔を覗きこまれ、私は慌てて手を左右にふる
「あ、だ、大丈夫ですよ!
「…でも」
「本当に、なんか食べる気はしないだけですから。それに、不思議なことにお腹はいつも満たされてるんです」
「…」
「だから、心配しないで下さい」
私がそう言うと院長様は少し唸りながら、パンっと手を叩く
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