「頼むから、早く就職探してちょうだい。
年金だってどれだけ貰えるかわからない時代なんだから、ちゃんと老後までに貯金貯めときなさい。

お母さんは、あんたの事が心配なのよ」


んー、と、煮え切らない返事の私に、「まあ今日はいいけど」と、苦笑いで話題を変える。




「それにしても、あの子は将来をどう考えてるのかしら。
健康保険にだってちゃんと入ってもらわないと、何かあった時すごいお金がかかるのよ。こっちが迷惑だわ!
今のバイトのままじゃ家にお金入れて年金払って、自分のお金なんて二万くらいしか残らないでしょ。

まぁ、知ったこっちゃないけどね」


と、母は笑う。
家には妹がいる。
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