キミは嘘つき蝶々
俺が森口を気にし始めたのは、決して好きとか、可愛いからとか、そんな甘ったるい感情からじゃなかった。

森口のふとした所作が、

いつも下品にパンツ見せて歩いてる俺の回りの女子とあまりにも大差がありすぎて。

何と無く、興味を持っただけだったんだ。



森口は、きっと、いいとこのお嬢さまなんだろう。

厳しく躾られていることは、見ていればすぐわかる。

ピンと背筋を伸ばした立ち姿とか、

黒板に書く几帳面な文字とか、

廊下を歩く姿勢とか、

弁当を食べるときの箸の使い方とか。


ちょっとした行動が、全て品よく、綺麗で。

見ていると、いつの間にか目が離せなくなる―…
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