キミは嘘つき蝶々
「なにがあんたには関係ないじゃ!!
好きか嫌いかきいとるだけじゃろーが!!ハッキリしろや、ボケ!」

「………いや。そのへんはプライベートな問題なんで………」

「はああああん!?
声ちっさ!
聞こえねーなあ!?」

もはやヤクザと化した夏に情け容赦はない。

「………うぐ」

ますます締まる首に意識が遠退くのを感じながら、俺は必死で夏の手をタップした。

「ギ、ギブ……」

し、死ぬ。

死んでまう。

「……ふん」

俺の顔色が蒼く変化していることにようやく気付いたのか、夏は締め上げる手の力を緩めて、鼻を鳴らした。

今だ!!とばかりに夏の腕を振り切り、自分のシャツの襟を掴みながら必死に息を整える。

くそ。

この女、タチが悪すぎる。

普段のお嬢様キャラとの激しいギャップに、違う意味でクラクラだ。



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