キミは嘘つき蝶々


本当にカッコ悪い、ヘタレ野郎なんじゃないのか?




ゆっくりと、腰を落とす。

屈んだ姿勢のまま、髪の間に両指を差し込み、大きくため息をついた。




ふいに生臭いにおいが鼻を刺激した。



髪を掴んでいた手をおろし、おそるおそる床に視線を向ける。


「う」

つぶれたような呻きが喉を鳴らした。





カエルのまるい目が俺を見てる。

蛇の鋭い目が天井を向いている。




はああああっと、再び大きなため息をつき、俺は座り込んだまま憂いを帯びた目で、窓からのぞく青空を見上げた。





豪快に飛び出していった夏が後に残したもの。


それは


打ちひしがれた俺と

棚から落ちて、粉々に砕かれたホルマリン漬けの爬虫類の数々……。






………これ、片づけるの俺か?













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