キミは嘘つき蝶々
追い縋るように、手を伸ばしかけた俺の目の前で、バタンとドアが閉まった。
森口はペコリと礼儀正しく頭を下げると、そのまま背を向け、歩き出した。
華奢な背中が遠ざかっていく……
くそ!
俺は腕を下ろし、拳を握りしめた。
なんで勝手に帰るんだよ!?
まだ話も終わってないのに!
何の為に俺が1時間近くも……
………何の為?
……だよな
俺は何の為に森口を待ってたんだ?
こんなに必死に森口を追いかけて、
何を言うつもりなんだよ?
「ヒロ?」
黙り込んでいる俺を不思議に思ったのか、美佳が背後から覗き込んできた。
「………美佳」
「ん?」
肩越しに振り返る。
俺はじっと美佳を見下ろした。
森口はペコリと礼儀正しく頭を下げると、そのまま背を向け、歩き出した。
華奢な背中が遠ざかっていく……
くそ!
俺は腕を下ろし、拳を握りしめた。
なんで勝手に帰るんだよ!?
まだ話も終わってないのに!
何の為に俺が1時間近くも……
………何の為?
……だよな
俺は何の為に森口を待ってたんだ?
こんなに必死に森口を追いかけて、
何を言うつもりなんだよ?
「ヒロ?」
黙り込んでいる俺を不思議に思ったのか、美佳が背後から覗き込んできた。
「………美佳」
「ん?」
肩越しに振り返る。
俺はじっと美佳を見下ろした。