恋する*spring~春をうられたわたし~【完結】
わたしがそれをすると、翡翠が抱きしめる強さを増す。
起きてるのか無意識なのかはわからないない。
だけど、必ずそうしてくれる。
翡翠の腕の中はわたしの一番安心する場所になっていた。
しばらくそのままの体制でいたあと、わたしはベッドを抜け出す。
翡翠の家を抜け出す、ためではなく、朝ごはんとお弁当を作るため。
朝はコーヒーだけだった翡翠は、最初はいらないと言っていたけど、今は必ず食べてくれる。
施設にいた頃、高校生の人達のお弁当を作ったこともあるから、と勝手にお弁当を作り始めた。
翡翠はおいしいって言ってくれたし、理恵さんはもう作らなくていいって喜んでるし、お弁当は毎日作る。
もちろん自分の分も。
翡翠の家に来てから、お正月も過ぎ、もう一ヶ月くらいたった。
三が日は翡翠もさすがに休むと思ったけど、ずっと働いていた。