恋する*spring~春をうられたわたし~【完結】



お弁当を紙袋に入れて。
よし、行こう!



鍵はいつも入口に2つかけてある。
1つは翡翠が持って行ったけど、もう1つはいつもの場所にあった。



鍵も閉めてウキウキでマンションを出た。




何回も車で通って道も覚えてるし大丈夫。





ほとんどまっすぐで二回しか曲がらないはず。




覚えている目印を頼りにどんどん進んで行く。

ここを曲がったら……
あ、あれだ。見えた。
あとは会社までまっすぐ行くだけ。




やっぱりわたしやればできるじゃ…………!!




な、なに?!




いきなり腕を掴まれ、引っ張られ、横から倒れた。



「……〜ッイタ」


どうやらわたしは路地裏に引き込まられたみたいだ。
絶対お弁当ぐしゃぐしゃになった。


と思って手を見るけど、お弁当がない。
もしかして今ので落とした?




「おい」



上を見上げると、スーツを着た男の人。




「お前…"ユリ"か?」



なんでわたしの名前……



「黙ってるってこたぁ、あたりだな」






< 110 / 431 >

この作品をシェア

pagetop