恋する*spring~春をうられたわたし~【完結】



さっきユリを抱きしめた時の感触に違和感があった。

ユリの背中を摩ってみる。



………やっぱり。




「ここに先に着いたのは輝秋か?」



「うん」



じゃあ輝秋に聞くか。
少しは見たかもしれない。
ユリが何をされていたのか。



電話が鳴り出し、出てみると輝秋だった。


『翡翠、車持ってきたぞ』


「ああ、ありがとう」




電話を切り、ユリを抱き直して歩き始めた。
相変わらず軽いな、ユリは。




ユリを車に乗せ、俺達も乗り込む。




向かうのは家。
どうせ今から仕事をしてもユリのことが気になって進まないと思う。




ふと、ユリに目を向けた。
服が少し乱れ、汚れていた。足には擦りむいた後。

こけたのか?



手首には痣が出来ていた。


痛々しい。







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