恋する*spring~春をうられたわたし~【完結】
ユリの手を取り、手首にキスを落とした。
遅くなってごめん……
そう思いながら。
――――――
数時間前。
俺は弁当を持っくるのを忘れていて、家に電話をかけた。
"今から戻る"
ただそれだけだけど、声が聞きたかった。
電話をかけてしばらく待つ。
出ない………
いつもはすぐに出るのに。
まさか………
嫌な予感がする。
「ちょっと出てくる」
ユリと出会ってもう一ヶ月。
あの公園で見たのも、ユリの居たヤるための場所に行ったのも偶然だった。
ユリは同じ男だって気づいてなかったみたいだけど。
初めて会った時から気になっていた。
すごく淋しそうな瞳をしていたから。