恋する*spring~春をうられたわたし~【完結】
目的の場所に着くと既に輝秋と颯がいて、男達を倒していた。
流石だな。
そして、ユリを引っ張ってこっちに向かってくる男が一人。
ユリの手首にはベルトが巻かれていた。
俺に気づき立ち止まったかと思うと、ユリの腕を引き背中を押した。
倒れていくユリ。
「!ユリ!!」
――トン
間一髪でユリを抱き留めた。
男はその間に逃げて行った。
「…ッ危ねぇ。
大丈夫か?!」
そう言いながら、手首に巻かれたベルトを取った。
ゆっくりと顔を上げるユリ。
俺と視線が合うと大きな瞳から涙が溢れ出てきた。
「ひすい………ひすい……」
何度も名前を呼ばれる。
ユリに手を伸ばしたけど、手を叩かれ拒否された。