恋する*spring~春をうられたわたし~【完結】
ユリは俺に背中を向けた。
「ユリ……」
「だめ…触らないで」
また手を伸ばそうとしていたが、そう言われた。
だけど、
「嫌だ」
と言って、ユリを向き合わせ抱きしめた。
俺がそんなこと聞くはずない。
「ひ、ひすい…、離して!」
ゆりは俺の胸を両手で押してるけど、無駄だ。
「だめ……だよ…
わたし………汚い、汚れてる……
」
ギュッと抱きしめるとそんなことを言い出すユリ。
「誰がそんな事言った………?
さっきの男か?」
体を離してユリを見る。
またあの哀しい、淋しそうな瞳をしていた。
「ち、違う……
自分でそう…思っただけ」
「なんで?」
「だってわたし……
今まで……いろんな男の人と、寝てきた」
理由を聞くとそう言った。
そんなこと関係ねぇ。
「だからって汚いって言うのは違うだろ。
ユリはすごく綺麗だ」