恋する*spring~春をうられたわたし~【完結】



ユリは俺に背中を向けた。



「ユリ……」



「だめ…触らないで」



また手を伸ばそうとしていたが、そう言われた。


だけど、

「嫌だ」


と言って、ユリを向き合わせ抱きしめた。

俺がそんなこと聞くはずない。



「ひ、ひすい…、離して!」


ゆりは俺の胸を両手で押してるけど、無駄だ。





「だめ……だよ…
わたし………汚い、汚れてる……




ギュッと抱きしめるとそんなことを言い出すユリ。





「誰がそんな事言った………?
さっきの男か?」




体を離してユリを見る。
またあの哀しい、淋しそうな瞳をしていた。




「ち、違う……
自分でそう…思っただけ」


「なんで?」



「だってわたし……
今まで……いろんな男の人と、寝てきた」



理由を聞くとそう言った。
そんなこと関係ねぇ。



「だからって汚いって言うのは違うだろ。
ユリはすごく綺麗だ」







< 131 / 431 >

この作品をシェア

pagetop