恋する*spring~春をうられたわたし~【完結】
そう言ったユリの瞳から、大粒の涙が流れる。
「だ…ッから、ありがとう……」
ユリは謝った俺を否定して、お礼を言った。
そんなユリが愛しくて堪らない。
俺はやっぱりユリのことが………
「ユリ……、俺はお前を守りたい。
だけど、今回みたいなこともあるかもしれない。ユリは、嫌かもしれないけど、それでも守りたい。
傍にいてほしい」
ユリに、傍にいてほしい。
いつも手の届く場所に。
「翡翠……わたし、最近夢を見るの……」
いきなりなんだ?
夢………
もしかして……
「その夢はね、みんなが……わたしを置いてどこかに行っちゃうの。
わたしは声が出なくて……手を伸ばしても、届かない……
みんな離れて行く……
理恵さんも、木村さんも、津田さんも………翡翠も……」