恋する*spring~春をうられたわたし~【完結】
顔を赤らめ潤んだ瞳で見上げてくる。
そして、嬉しい言葉。
う゛
誘われてるみたいだ。
今までもユリに手を出したことはないが、今のユリには尚更出せない。
これは拷問だ。
ちくしょう。
ここは我慢と思い、ユリの額と頬にキスを落とした。
恥ずかしかったのか、ユリはまた俺の胸に顔を埋めた。
俺が頭を撫でてしばらくすると、聞こえてきた寝息。
少しの間抱きしめた後、ユリが起きないようにそっと寝かせ布団を被せた。
頭を撫で顔を見るとさっきよりも穏やかな安心した顔だった。
よかった………
そういえば、今日初めて名前呼ばれたな。
一ヶ月たってやっと………
ユリの優しい声に名前を呼ばれたと思うと笑みがこぼれる。
俺はお前に溺れてるな………
「ユリ……お前が好きだ。
傍にいてほしい」
静かに呟き、唇の近くにキスをした。
いつかこの唇も貰うからな。
覚悟しとけ。