恋する*spring~春をうられたわたし~【完結】
二人で寝室を出て、キッチンへ向かった。
そういえば、弁当箱………
今日はお昼は食堂かな。
弁当箱を落とした事を思い出してそんなことを考え、お皿を出すために食器洗浄機を開けた。
あれ………?
食器洗浄機の中を見てみると弁当箱が入っていた。
「ねえ、これ………」
翡翠に弁当箱を見せると、ああ。と言って説明してくれた。
「それ、落としたんだろ?
だから拾って持って帰ってきたんだ。
中身は昨日の夜、おいしく頂きました」
「食べたの?
全部?!」
「ちゃんと二人分食べたよ」
だっておいしいのにもったいない。ってそう言った翡翠。
グシャグシャになったはずなのに。
「ありがとう」