恋する*spring~春をうられたわたし~【完結】
連れて行かれたのは、翡翠達から少し離れた場所。
翡翠達には普通に話しても聞こえないくらいの距離だ。
「話ってなんですか?」
早く終わらせたくて率直に聞いた。
「単刀直入に言うわ。
わたしは社長の事が好きなの。
だから、邪魔しないで」
やっぱり翡翠のこと好きなんだ……
でもわたし、邪魔した覚えはないんですけど。
「話はそれだけですか?」
「あともう一つ」
他に何が………
「あなた、施設育ちなんですってね」
クスリと鼻で笑って言った亜由美さん。
「それに、一ヶ月近く前までヤクザの経営するお店で働いていたらしいわね」
そんなことまで……
「あなたみたいな捨てられた汚れた娘、社長が相手にするわけないわ。
かわいそうだから構ってあげてるだけよ」