恋する*spring~春をうられたわたし~【完結】
わたしってやっぱり……
捨てられたの?
汚れてる?
「話はそれだけよ」
それだけ言って亜由美さんは去って行った。
わたしはただ呆然と立ち尽くしていた。
「ユリ?あいつに何か言われたのか?」
「ううん、大丈夫だよ」
わたしは気を取り直して、翡翠に迷惑をかけまいと思った。
翡翠のことだから、話したら心配すると思う。
翡翠は優しいもん…………
「そういえば、翡翠行きたいところがあるの?」
わざとらしく話題を変えた。
「俺はないけど、ユリはあるだろ?」
「え?なんで……?」
「ここに来る途中、前住んでたところ通ったし、ユリが珍しくキラキラした瞳をしてた」
やっぱり翡翠は優しい………
わたしのことを気にかけてよく見てる。