恋する*spring~春をうられたわたし~【完結】
「ごめんね、おじさん。
ちょっと引っ越したから、ここに来れなくて………」
わたしはカウンターの席に着きながら答えた。
翡翠もわたしの隣に座った。
「そうか……
ならよかった……」
わたしが言った言葉におじさんは安心したみたいだ。
「ところで、そちらさんは?」
翡翠を見ながらそう言った。
「この人は翡翠っていうの。
わたしをいろいろ助けてくれた人!」
「彼氏じゃないのかい?」
か、彼氏?!
「ち、違うよ!
翡翠はそんなんじゃない」
そうなって欲しいけど、今は傍にいてくれるだけでいい………
「はっはっは、そうかいそうかい。
はい、これ出来たよ」
おじさんは笑っていつものサンドイッチとココアを出してくれた。
こんなに楽しそうなおじさん見るの、初めてだ。