恋する*spring~春をうられたわたし~【完結】
水族館に着くとユリと手を繋いで歩き出した。
今までだったら手を繋ぐとか絶対にしてない。
勝手に触られるだけで、気持ちが悪かった。
でも、ユリなら大丈夫だと思ったんだ。
現に繋いでも平気。
むしろ安心する。
だけど、中に入ると周りの男がユリを見ているから、気が気じゃない。
あんま見んじゃねぇよ。と視線で訴える。
ユリはそんなのお構いなしに楽しそうに水槽を見て回っていた。
ちょっと疲れてレストランに入り、昼食を取った。
ご飯を食べ終えて、ユリが席を立つと、近寄って来た女達。
どいてくれと言っても、聞いてくれない。
なんなんだよ………
そんな高い声、どっから出てくるんだよ。
せっかくの休み邪魔すんな。
適当に相手にして、ユリを待つけど、遅い。
周りに目を向けると、ユリは男に腕を掴まれ、どこかに引っ張られていた。
ユリ!