恋する*spring~春をうられたわたし~【完結】
泣き止んだユリが口を開いた。
「ねぇ、翡翠。
わたしの名前知ってる?」
は?何言ってんだ?
「?ユリじゃないのか?」
「違う。それは芸名みたいな、あだ名みたいなもの。
ほんとはね、"嘉春珠莉-カハルシュリ-"って名前なの」
「珠莉……か。
なんで今まで言わなかったんだ?」
「だって翡翠のこと、好きになるとは思わなかったんだもん。
女遊び激しかったんでしょ?」
「それ言われるとなんも言えねぇな………」
確かにユリと出会うまではやばかったな。
毎日取っ替え引っ替え。
「でも今は、そんなんじゃねぇから安心しろ」
と言ってユリの頭を撫でた。
「ところで、お前何歳なんだ?
20歳は超えてんだろ?」
今の話を聞いて思った。
何歳なんだ?
「え?翡翠知らないの?
しかも20歳まだなってない………」
「はあ?!嘘だろ!」
マジかよ………
俺、未成年に手ぇ出したんだ………
「嘘じゃないもん。
4月で19歳だもん」