恋する*spring~春をうられたわたし~【完結】



泣き止んだユリが口を開いた。



「ねぇ、翡翠。
わたしの名前知ってる?」

は?何言ってんだ?


「?ユリじゃないのか?」


「違う。それは芸名みたいな、あだ名みたいなもの。
ほんとはね、"嘉春珠莉-カハルシュリ-"って名前なの」



「珠莉……か。
なんで今まで言わなかったんだ?」



「だって翡翠のこと、好きになるとは思わなかったんだもん。
女遊び激しかったんでしょ?」



「それ言われるとなんも言えねぇな………」




確かにユリと出会うまではやばかったな。
毎日取っ替え引っ替え。




「でも今は、そんなんじゃねぇから安心しろ」



と言ってユリの頭を撫でた。




「ところで、お前何歳なんだ?
20歳は超えてんだろ?」


今の話を聞いて思った。
何歳なんだ?


「え?翡翠知らないの?
しかも20歳まだなってない………」



「はあ?!嘘だろ!」



マジかよ………
俺、未成年に手ぇ出したんだ………




「嘘じゃないもん。
4月で19歳だもん」











< 239 / 431 >

この作品をシェア

pagetop