恋する*spring~春をうられたわたし~【完結】
「なんで謝ってんだ?」
「だって……こんなすごい会社なのに……わたしなんかが彼女で………」
会社がすごいところってさ、よく婚約者とかいたり、経営のために良いところのお嬢様と結婚とかしたりするでしょ?
「"わたしなんか"じゃない。
自分をそんなふうに思うな。
珠莉は珠莉なんだ。
それに、俺が珠莉に惚れてんだから、会社がどうとか気にすんな」
「うん………」
ほんとにいいのかな?
「わたし達も気にしないわ。
だってわたしも普通の家庭で育ってたのよ?
最初は珠莉ちゃんみたいに気にしてたけど、みっちゃんもお母様もお父様もわたしを歓迎してくれて、今は全く気にしてないわ」
早百合さんもそうだったんだ………
「お袋も親父も会社のことなんか気にしない。
だから珠莉もそんなこと考えるな」
「翡翠………ありがとう」