恋する*spring~春をうられたわたし~【完結】
お、おもしろ……過ぎる……
わたしは声を出さないように笑った。
「もう……ひ、翡翠……笑わさないで……よ」
「珠莉………お前……」
翡翠を見上げると驚いた顔をしていた。
「翡翠………?
ど、どうした……の?」
まだ笑いが収まらなくて、奮える声で聞いた。
「いや、そんなにおもしろかったか?」
いつもの笑顔になって聞かれた。
「うん………も……最高っ……」
だってわたしもタヌキみたいだって思ったんだもん。
あ〜おもしろい。
こんなに笑ったの何年ぶりだろ。
涙も出てきた………
「大丈夫か?」
「うん。もう……大丈夫」
やっと笑いが収まったあと、さっきまであった緊張がなくなっていたことに気がついた。
「もう緊張してないな」
「うん!平気になった」
「あんだけ笑えばな」
そうか、笑ったからリラックスできたのかな。