恋する*spring~春をうられたわたし~【完結】
「キ、キス………されッんん……」
言い終わる前にキスをされた。
「それだけか?」
「うん……だけど………」
「だけど、なんだ?」
「わたし………身体はいろんな人に触られてきた………
だけど……キスは……キスだけは翡翠だけだった………翡翠しか知らなかった……
なのに……」
キスも翡翠だけじゃ……なくなった……
「ごめんね……翡翠……
ごめんなさい」
目の前の翡翠の顔が歪む。
「珠莉……
お前の初めてのキスの相手は誰だ?」
「翡翠……」
「だろ?俺はそれだけで十分だ。
確かに他の奴がキスしたのは許せない……
だけど、珠莉がそう思ってくれてたことが嬉しい」
「でも……」
「珠莉、あんまり自分を責めるな。
俺は大丈夫だ」
翡翠………
「うん……」