恋する*spring~春をうられたわたし~【完結】
新たなる敵?
身体がだるい……
しかも、家………?
目を覚ますと家のベッドで寝ていて、もう昼間だった。
隣には翡翠はいない。
翡翠………?
リビングに行くと誰もいない。
だけど、リビングのテーブルに何か置いてあることに気がついた。
メモ?
"会社に行ってくる。
起きたら連絡しろ。
090-****-####"
人には勝手に居なくなるなって言っておきながら、自分は居なくなってるじゃん。
そう思いながらも、家にある電話の受話器を取った。
携帯……欲しいな。
でも、わがまま言えない。
PRRRR
機械的な呼び出し音。
なにげに初電話だ。
『珠莉か?』
何回目かのコールが鳴ってから声が聞こえた。
耳元で聞こえる、翡翠の声。
翡翠と電話しない方がいいかも………
「うん………起きた」
『身体……大丈夫か?』
顔は見えないけど、声で申し訳なさそうな感じがわかった。