恋する*spring~春をうられたわたし~【完結】
そして、わたしの首筋に顔を近付けてきた。
「やめて!」
「おい!!」
翡翠とわたしが叫ぶ。
「んー、今日もいい匂い♪」
だけど、男の人は気にしない。
どこまでも自己中だ。
そして………
チュ……
わざと音をたててわたしの頬にキスをした。
「いや!」
パシン―――
わたしは男の頬を叩いた。
だけど、男はわたしから離れなかった。
「ってぇ………、昨日殴られたばっかなのに。
またかよ」
「殴られるようなことばっかりしてんのはそっちでしょ?!」
「だけど、女に叩かれたのは初めてだよ」
フッと鼻で笑い、続けて言った。
「今日はこんくらいにしとく。
またね、珠莉ちゃん」
やっと離れた……
「社長さんも気をつけて下さいね」
男は社長室を出て行った。