恋する*spring~春をうられたわたし~【完結】
扉が閉まるのを見て、わたしはその場にへなへなと座りこんだ。
「珠莉!!大丈夫か?」
翡翠はキスされた頬を袖で擦りながら聞いてきた。
「うん」
「くそ!あいつ………」
「翡翠!どうなってんのよ!
あいつあの女の弟でしょ?!」
「あぁ、そうだ。
昨日のパーティーで珠莉に手を出したのはあいつだ」
理恵さんも知ってる人なんだ。
「翡翠、あの人誰?」
勝手に社長室まで入ってきたし……
「あいつは、百瀬聖真-モモセショウマ-だ」
百瀬……ってどこかで………
あと理恵さんが言った、あの女の弟って………
「もしかして…………
亜由美さんの?」
わたしが言うと、翡翠が頷いた。
「あいつは百瀬の弟だ」
「じゃあ、あの人が言ってた………ある人って……」