恋する*spring~春をうられたわたし~【完結】
帰る途中、車の中で翡翠は教えてくれた。
亜由美さんの家は、化粧品会社で結構有名なところで、聖真さんはそこの跡取りになることが正式に決まっているらしい。
亜由美さんがなんで翡翠の会社で働いているのかっていうのは、親に翡翠に近付けって言われたから。
それは………
亜由美さんの気持ちってどうなんだろう。
親に言われたから?
翡翠のことは結局、好きじゃないのかな。
平凡な(普通よりは平凡じゃないけど)生活をしてきたわたしにはわからない。
そして夜は、翡翠に抱かれた。
一つになり何度か頂点に達したあと、翡翠は荒い息遣いで言ってくれた。
「珠莉……愛してる……
絶対、お前を……守る……」
それだけで不安でいっぱいだった心が、安心に包まれた。
だからわたしも
「翡翠……わたしも、愛してる……」
と、返した。
そのあと翡翠の激しい愛撫によってまた頂点へ達し、意識を手放した。