恋する*spring~春をうられたわたし~【完結】
嵐の前*翡翠side*
珠莉と付き合ってから初めて会社に行った日。
珠莉はガトーショコラを持って会社へ行った。
"理恵さん達にいつものお礼"と言って、昨日作ってた。
俺だけじゃねぇのかって少し不満。
理恵に渡すと喜んでいた。
そのあと理恵が仕事を始めていた俺のところに来て聞いた。
「翡翠、ユリちゃんが作ったガトーショコラ、どうだった?」
なんでこいつ中身見てないのに知ってんだ?
気になったけど、聞いた理恵じゃなくて珠莉を見て答えた。
「美味かったよ」
珠莉は俺の視線に気がついて目を逸らした。
それを見ていた理恵は俺達に何かあった?と聞いてきた。
さすがだな。勘がいい。
「あ、あの………その……」
珠莉がしどろもどろになってこっちを見たから、こっちに来いと呼び、傍に来た珠莉を膝上に乗せた。
「ひ、翡翠!」
恥ずかしがって降りようとする珠莉を抱き寄せ頬にキスをした。
「ちょ、ちょっと!」
「まぁ、こういうことだな」