恋する*spring~春をうられたわたし~【完結】
それから珠莉は一呼吸おいて本題に入った。
今まで本名を名乗っていなかったと………謝る珠莉。
別にそんなこと気にしなくてもいいのに、珠莉は怒られたらどうしようと言った。
大丈夫って言っても、朝からどうしようってばっかり。
案の定、理恵も輝秋も颯も気にせず"これからもよろしく"と言った。
その言葉に珠莉は泣き出した。
「だから言っただろ。
心配すんなって」
俺はそう言って、抱きしめた。
「わ、わたし……みんなに会えて……ほんと…に、よかった」
その中に俺も入ってるといいけど………
それからみんなで少し雑談をしてから、仕事を再開。
俺はまた珠莉を膝の上に乗せた。
珠莉は仕事しにくくないのか聞いてきたから、
「やりにくくてもいいから、こうしていたい」
と、言うと恥ずかしそうにしていた。
一々可愛すぎる。
その後、珠莉がコーヒーを作りに行くと社長室に入ってきた百瀬。
多分珠莉からは見えてないはず。
今のうちにと思い、社長室から連れ出した。
「社長?どうしたんですか?」
俺に連れ出されたことが嬉しいのかニコニコして聞いてきた。
「お前、もうここに来るな」
そう言うと百瀬の顔が曇っていった。
「どうしてですか?!」
「珠莉が気にするからだ。
それにお前、親に言われてここに入社したんだろ?」