恋する*spring~春をうられたわたし~【完結】
これもいつものことだ………
女の奴らは多分俺。
自分でも父親譲りの容姿の事はわかってるつもりだ。
男の奴らは理恵なんだけど………いつもより男の視線が多いのは珠莉がいるからか?
珠莉は自分の可愛さをわかってないからな………
はぁ………
そう考えていると一人のタヌキ親父がやってきた。
「やぁ、黒崎社長!久しぶりですな〜。
お元気そうでよかった〜」
ニコニコといけ好かない笑顔で挨拶をしてきた。
この人は確か……
「お久しぶりです。
田沼社長もお元気そうで何よりです」
俺も愛想笑いで返した。
田沼って名前でタヌキみたいだから名前もすぐに覚えられたんだよな。
「わしもおかげさまでな!
ところで………そちらのお嬢さんは?
黒崎社長とどのようなご関係で?」
「彼女とはお付き合いをさせてもらってるんです」
「ほう。どこの令嬢ですか?
見たことないが………」
なんでここの奴らはこういうのを気にすんのかな……
「いいえ、彼女は令嬢ではありません」
俺ははっきり言って珠莉を見たら、不安そうな顔をしていた。