恋する*spring~春をうられたわたし~【完結】
「翡翠………?
ど、どうした……の?」
まだ笑いが収まらないらしく、奮える声で聞いてきた。
「いや、そんなにおもしろかったか?」
「うん………も……最高っ……」
珠莉がこんなに笑うなんて………
今まであんまり笑わなかったけど、これが本当の珠莉の姿だと思う。
よかった………
「大丈夫か?」
「うん。もう……大丈夫」
珠莉の笑いが収まったあと、珠莉は緊張がなくなっていたことに気がついた。
「もう緊張してないな」
「うん!平気になった」
「あんだけ笑えばな」
すると、さっきとは違う奴が話しかけてきた。
「黒崎社長!お久しぶりですな〜」
終わるとまた違う奴に声を掛けられて………
挨拶の繰り返しだった。
愛想笑い疲れる……
中には、珠莉を見てニヤニヤしていた男がいた。
すげぇー……イラつく。
他には、娘の自慢話をしてくる奴がいたり、結婚を申し込んでくるのもいた。
珠莉の前でやめろ………と言いたいけど、言えない。
珠莉に気にするなって言ったけど、不安そうな顔は収まらなかった。
それから、親父達とも会って、少し話しをした。
俺は親父に呼ばれて珠莉はお袋と理恵に頼んだ。