恋する*spring~春をうられたわたし~【完結】
少しでも離れると珠莉のことが気になる。
「そう、心配するな。
小百合も付いてるんだ」
「わかってるよ」
親父に考えていたことを言い当てられてイラッとした。
それに………なんか嫌な予感がするのは気のせいだといいけど………
「で、どうしたんだ?」
「お前最近、百瀬の化粧品会社調べてんだってな」
「それがどうした?」
「俺も調べてんだ」
ニヤリッと笑って親父は言った。
「そうなのか?」
さすが俺の親父。
気が合うな。
「で、何かわかったのか?」
「いや、まだだ。
けど、お前に頼みたいことがあってな」
頼みたいこと?
なんだ?
「これを使って颯に調べさせて欲しいんだ」
そう言って渡してきたのはUSBだった。