恋する*spring~春をうられたわたし~【完結】
「チッ………
早くどっか行け」
胸倉を離して聖真に言った。
「じゃあね。"珠莉"ちゃん?」
そう言い残し去って行った。
「翡翠……わたし………」
「珠莉……来い………」
珠莉が何かを伝えようとしたがそれを遮り、珠莉の手を握りしめ歩き出した。
後ろを歩く珠莉の表情は困惑という言葉が合っていた。
俺はエレベーターの前で立ち止まり、上へ行くボタンを押した。
「翡翠?
パーティーは………?」
「パーティーはもういい」
短くそう答えた。
パーティーは多分そろそろ終わるから大丈夫だ。
エレベーターに乗り、携帯を開くとたくさんの着信履歴。
上に着くまでの間に親父に珠莉とパーティーを抜ける事をメールしといた。
携帯を閉じるとさっきの出来事を思い出し、握る手に力が入った。
エレベーターを降りてカードキーに書いてある番号を見て部屋を探す。
部屋を見つけ、カードキーを差し込みドアを開けた。