恋する*spring~春をうられたわたし~【完結】
それからホテルを出てチェックアウトを済ませた。
珠莉を抱えながら………
颯を呼んでいたから、ホテルを出ると待っていてくれた。
「すまない………
朝早くに」
「別に……構わない」
車に乗り込むと、昨日親父に渡されたUSBを颯に渡した。
「なんだ……これ?」
「それを使って、百瀬のところを調べてほしい」
「わかった」
颯のパソコン技術は凄いからな。
車を出しても、抱えても起きない………
無理……させたか?
「翡翠……ヤッたのか?」
「なんでわかる?」
「顔………見れば」
と微かに笑った。
わかるのか?
まぁ、こいつは十数年の付き合いだしな。輝秋も。
しばらくして家に着いた。
颯はそのまま会社に行くと言ったから、輝秋にも百瀬のところを調べるように伝えろと頼んだ。
家に入り、珠莉はベッドに寝かす。
俺はスーツに着替えて準備をし、テーブルにメモを残して、珠莉のところに行った。
置いて行くのは心苦しいが、社長室には寝かせられる場所がない。
「行ってきます」
唇にキスを落とし、会社へ向かった。