恋する*spring~春をうられたわたし~【完結】
聖真は珠莉の首筋に顔を近付けた。
「やめて!」
「おい!!」
俺と珠莉が叫ぶ。
「んー、今日もいい匂い♪」
そう言って、
チュ……
俺に見せつけるようにわざと音をたて、珠莉の頬にキスをした。
「いや!」
パシン―――
珠莉は聖真の頬を叩いた。
「ってぇ………、昨日殴られたばっかなのに。
またかよ」
「殴られるようなことばっかりしてんのはそっちでしょ?!」
「だけど、女に叩かれたのは初めてだよ」
フッと鼻で笑い、続けて言った。
「今日はこんくらいにしとく。
またね、珠莉ちゃん」
「社長さんも気をつけて下さいね」
聖真は社長室を出て行った。
それから珠莉に駆け寄り、理恵から説教じみた事を言われた。
クソッ……どいつもこいつも……
苛立つ………