恋する*spring~春をうられたわたし~【完結】



そして、出張に行く日になった。


わたしは緊張しながら、準備をした。




神奈川までは車で移動した。
木村さんの運転で。



時間はかかったけど、遠足みたいですごく楽しかった。



泊まるところは旅館。
翡翠は普段、どこにも行けないからって。


行ってみるとものすごく綺麗なところだった。




「理恵さん、一緒の部屋にしよう」



「ユリちゃん?
何言ってるの?」



え?



「お前は俺と同じ部屋に決まってんだろうが」



「えぇぇ?!やだ!」



そう言うと翡翠のこめかみがピクリと動いた。



「言ったな………?
夜覚えとけよ」



「り、理恵さん!
助けて〜!」



「無理ね。楽しんで〜♪」



理恵さんに見捨てられたわたしは、翡翠に首根っこを掴まれて部屋に連れていかれた。










< 347 / 431 >

この作品をシェア

pagetop