恋する*spring~春をうられたわたし~【完結】
そして、出張に行く日になった。
わたしは緊張しながら、準備をした。
神奈川までは車で移動した。
木村さんの運転で。
時間はかかったけど、遠足みたいですごく楽しかった。
泊まるところは旅館。
翡翠は普段、どこにも行けないからって。
行ってみるとものすごく綺麗なところだった。
「理恵さん、一緒の部屋にしよう」
「ユリちゃん?
何言ってるの?」
え?
「お前は俺と同じ部屋に決まってんだろうが」
「えぇぇ?!やだ!」
そう言うと翡翠のこめかみがピクリと動いた。
「言ったな………?
夜覚えとけよ」
「り、理恵さん!
助けて〜!」
「無理ね。楽しんで〜♪」
理恵さんに見捨てられたわたしは、翡翠に首根っこを掴まれて部屋に連れていかれた。