恋する*spring~春をうられたわたし~【完結】
「そんなこと、言っていいのか?」
そう言う翡翠はニヤリ顔。
「わたし、なな何も言って、ない!」
「ますます夜が楽しみだ」
もういやだ……
わたし一生翡翠には勝てないかも……
「じゃあ、行くか」
そう言われて俯かせていた顔を持ち上げ、翡翠を見た。
「どこに?」
「施設」
翡翠は短くそう答え、わたしの手を握りしめ歩き出した。
「翡翠……施設って……」
「ひまわり園」
………ひまわり園。
そこは、わたしが育った施設。
「いいの?時間………大丈夫?」
「大丈夫だ。
今日は他に何もすることはない」
まさかここに来て一日目で施設に行けるなんて………
翡翠とわたしはここまで乗って来た車に乗り、施設へと向かった。