恋する*spring~春をうられたわたし~【完結】
おじさんはまだ成人もしていないわたしに、何故いつも昼間に来るのか、とか、何故いつも一人なのか、とか何も聞いてこない。
多分、気になってるとは思うんだけど。
おじさんがそういう人だからこそ、わたしはここに来ることが出来る。
それにおじさんは、そんなわたしをいつも優しい笑顔でここに迎え入れてくれる。
ここにくると会話をあまりしないけど落ち着けるし、おじさんに会える。
おじさんは今のわたしが、一番信頼できる人なのかもしれない。
「――はい、どうぞ」
しばらくすると、いつもの物が出来ていた。
サンドイッチとココア。
ここでは、これしか頼まない。