恋する*spring~春をうられたわたし~【完結】
わたしは売られたり、いろんな人に身体を許したりしてきた………
だけど、お母さんが変わって……弟達が幸せになれたなら………よかったのかな……
少し報われた気がする。
「珠莉……」
翡翠が顔をに手を伸ばしてきたけど、それを拒否して翡翠の手を握りしめた。
「翡翠……大丈夫。
今は、ね」
今は……帰って来たことを喜ばなきゃ。
泣いてちゃだめ……。
みんなを心配させた分、笑わなきゃ。
「わかった」
翡翠は頷いて、わたしの手を握り返した。
「シュリ姉!見て!
懐かしい」
名前を呼ばれて見せられたのは、施設のみんなで動物園に行った時の写真だった。
わたしがコルクボードに飾っていた写真だ。
コルクボードには他にもいろんな写真があった。
花火大会、お花見、運動会、茜とのプリクラ。
全部懐かしい………