恋する*spring~春をうられたわたし~【完結】
「……おい」
「あ、はい」
いけない、ぼーっとしてた。
「あんたが、"ユリ"?」
「はい」
「お前が今日、俺の相手してくれんの?」
男は言いながら、ネクタイを緩め、ベッドに腰かけた。
その仕草も様になって、すごく綺麗。
「そうみたいです」
すると、男はいきなりベッドの横に立っていたわたしの腕を引っ張った。
わたしは急に引っ張られたので、ベッドに勢いよく倒れた。
ちょっ、この人なんなの?!
いきなり引っ張らなくてもいいじゃない!!
そう思いながら、身体を起こそうとしたけど、
「え………?」