恋する*spring~春をうられたわたし~【完結】
「本当に二人とも、おもしろい」
「何がだよ………」
「反応が」
「チッ………珠莉」
舌打ちをした翡翠は、わたしを抱きしめた。
「一人にしてごめん」
「大丈夫………」
はぁ……
と翡翠はため息をついた。
最近、多くない?
「お前……帰れ」
「はいはい、わかりましたよ」
聖真さんは帰って行った。
あの人、何しに来たの?
「珠莉……しばらく会社にくるな」
少し怒ったように言われた。
なんで………
「どうして?」
「どうしてもだ」
「なんで………」
わたし何かした?
コンコン―――
「あの〜………社長に呼ばれて来たんですけど……」
扉をノックする音が聞こえて女の人がした。