恋する*spring~春をうられたわたし~【完結】
「そっか………
よかった、幸せそうで」
そう言って笑った茜の笑顔は昔のままだった。
「ねぇ、翡翠。
茜の家に泊まりに行ってもいい?」
「なんでそんなこと聞いてるの?
親じゃないのに」
「だって……一緒に住んでるし………」
「はぁ?!」
茜さん……
美人な顔が台なしですよ。
「前もって言っとけばいいぞ」
翡翠は、茜を無視して答えた。
「やった!茜!
泊まりに行くからね!」
「いいよ、おいで♪
その時いろいろ教えてね」
いつもの茜に戻っていたけど。
「いろいろって?」
"社長とのこと♪"
耳元でこそこそと言われた。
恥ずかしい………
茜って理恵さんとちょっと似てる気がする………
茜に会えてよかった。
だけど…………
"会社に来るな"
どうしてだろう……
何かあるの?
隠してる?
翡翠が言った一言で不安になっていた。