恋する*spring~春をうられたわたし~【完結】
「………ハァ」
………今度はため息つかれた。
そう思っていると、男はいきなりベッドから降りて、立ち上がった。
不思議に思って見ていると、目が合って、
「今日は、もう帰る」
と言って、ドアの方へ向かって行った。
あぁ、帰るのね………
……………
え?!
帰る?!
ちょっと待って!!!
わたしもベッドから降りて、急いで男を追い掛け、腕を掴んだ。
男を見ると、"何?"とでも言いそうな顔をしていた。
「あっ……あの………
ありがとう………」
男を追い掛けたのは、ただお礼を言いたかっただけ。
変な人だけど、わたしの気持ちが少し楽になったのは、事実だから。