恋する*spring~春をうられたわたし~【完結】



女の人は黒の巻き髪ですごくスタイルがいい。今着ているスーツがすごく似合ってる。しかも美人。

男の人達もスーツをきていて一人はスキンヘッド。いかにもって感じ。
もう一人は、金の短髪。



わたしがぼーっとその人達を見ていたら、さっきまで難しそうな顔をしていた女の人がわたしに気がついたらしく、あっ!ちょうどよかった。とでも言いそうな顔をして、こっちに近づいてきた。




「こんにちは。
ねえ、あなた、あそこの部屋の子がどこに行ったのか知らない?」



笑顔で挨拶をしてそう聞いてきた。
礼儀正しくてできる女って感じがする。



しかし、どうやらまだわたしがあの部屋の人って知らないらしい。


ここには1年もいたのに……
またわたしは売られる?




「あそこの部屋は…………
わたしのです」



「じゃあ、あなたがユリちゃん?」




わたしが少し躊躇って答えると、名前を聞かれた。

これじゃあもう確定だ。
どうすることも出来ない。












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